アサインから納品・報告まで

2025/4/29更新

スクールフォト撮影の流れ|アサインから納品・報告まで

スクールフォトの撮影は、単に「写真を撮る」だけでは完結しません。

アサイン(案件受託)から、クライアントとの打ち合わせ、撮影、データ管理、納品、報告まで、一連の流れを正確に遂行することが求められます。

この流れをきちんと理解し、準備・対応できるようになることで、現場での信頼を獲得し、プロフェッショナルなカメラマンとして活躍することを目指します。

この記事では、スクールフォトカメラマンが実際に行っている、アサインから納品・報告までの具体的なステップを、順を追ってわかりやすく解説していきます。

目次

1. アサイン(撮影案件の承諾)

撮影エージェントに登録している場合、案件の案内(撮影概要)が届きます。

案件内容をしっかり確認しましょう。

案件案内に記載される主な情報

  • 撮影日
  • 撮影対象
  • **保育園、**高校など。
  • 撮影時刻(何時から何時まで?)
  • 撮影内容(遠足、運動会、卒園式など)

上記内容を見て、スケジュール的に対応可能かを確認し、「OK・承諾」または「NG・対応不可」の返答を行います。

注意点:ダブルブッキング防止

筆者はGoogleカレンダーを活用してスケジュールを管理しています。 Googleカレンダーはクラウド上で情報が管理されるので、PC・スマホどちらからも常に最新スケジュールを確認でき便利です。

アサインOK連絡を送ったら、その場でカレンダーに登録する習慣をつけましょう。

2. 事前交通費申請(必要な場合)

エージェントによっては、一定額を超える交通費について、事前申請が必要な場合があります。

  • NAVITIMEなどのサービスで、経路・距離・料金を調べる
  • 車訪問の場合、高速道路料金(ETC料金)も確認

※エージェントによっては、「事前の交通費申請が不要」で、「撮影後の交通費申請・請求」だけで済む場合もあります。

3. 撮影日前日まで

撮影案件の詳細情報(発注書や指示書)がエージェントから届きます。

次のような情報が記載されています(エージェントにより記載内容は異なります):

  • 撮影日時
  • 団体名・施設名
  • 担当者名
  • 連絡先電話番号
  • 当日の連絡先・緊急連絡先
  • 例えば遠足や外部施設を使ったイベントなどの場合は、当日の連絡がつくよう担当者の携帯番号が記載されています。
  • イベント番号・案件番号
  • エージェントの社内で管理される番号
  • 撮影内容
  • 日常保育、遠足、卒園式、入園式、クラス集合、運動会、発表会、・・・などの、撮影内容
  • 撮影場所・住所
  • 撮影対象人数
  • 集合場所
  • 外部施設で行われたり、遠足で現地集合の場合は集合場所が書かれています。
  • 当日のスケジュール
  • 雨天時対応
  • 屋外で行われるイベントの場合、決行、延期が書かれています。
  • その他連絡事項
  • 発注金額
  • 納品日

不明点がある場合はエージェントに確認します

例えば、公園で行われる遠足の場合、公園が巨大な場合、集合場所に公園の住所だけが書かれていた場合は、公園内のどこ(**入口、管理棟の前、**駐車場など)に集合かを確認したりします。

訪問に向けた準備を行います

車で訪問予定の場合、駐車場予約サイト(akippa、特P)で駐車場を事前予約しておくと安心です。

4. 撮影前日|最終確認とリスク対策

撮影前日に必ずチェックすること:

  • 集合場所・施設名・住所
  • 例えば遠足の場合、集合場所が出発地か目的地か、確認します。
  • 撮影時間・集合時間
  • 撮影内容

撮影内容に合わせて、前日までに機材準備を行います

スクールフォトの現場では、撮影するシチュエーションや求められるカット内容によって、必要な機材や装備が微妙に異なります。

そのため、撮影当日を安心して迎えるためには、「前日までに撮影内容に合わせた機材の準備を完了させておく」ことがプロとして欠かせない習慣です。

なぜ前日準備が重要なのか?

  • 当日になって忘れ物に気づくリスクを防ぐ
  • バッテリー充電やメモリーカードの空き容量確認など、時間がかかる作業が事前にできる
  • 急なトラブル(バッテリー不良、レンズ故障など)に対応できる
  • 移動・設営時の負担を減らし、現場での撮影に集中できる

準備時にチェックしておきたいリスト

  • バッテリー満充電・予備もOKか?
  • メモリーカードの空き容量は十分あるか
  • カメラ・レンズのセンサーやレンズ表面にゴミがないか?
  • 撮影プランに合わせた機材選択は適切か?
  • カメラ、レンズ
  • その他機材
  • ストロボ、三脚、ブロアー
  • 腕章・ビブスの準備
  • エージェント指定の腕章・ビブスはカメラバッグの中に入っているか

リスク軽減テクニック

  1. 訪問先・集合時間・施設情報をプリントアウトして、カメラバッグに入れておく
  2. スマホ忘れ・バッテリー切れ・通信障害時にも安心!プリントした紙の裏面は当日用の打ち合わせメモとしても活用できます。
  3. カメラバッグに入らない持ち物を忘れないための対策
  4. 芋掘り遠足の場合は、ゴム長靴を入れた玄関の取っ手にかけておく・玄関ドア前に置くなど、出発時に必ず通る場所に持ち物を置くことにより忘れ物を防げます。
    卒園式・入園式などの式典撮影時は、スーツ、ネクタイ、シャツなどの服装をカメラバッグの近くに置くことにより、服装間違いを防ぐリスク対策になります。

まとめ|現場は「準備7割、撮影3割」

スクールフォトの撮影現場では、現場入りした時点で「勝負はほぼ決まっている」と言っても過言ではありません。

前日までに、

  • 何を撮るか
  • どんな機材が必要か
  • どんなリスクがあるか

これらをしっかり想定し、余裕を持って機材を準備することが、スムーズな撮影と確実な納品、そして信頼獲得に直結します。

「当たり前の準備」を確実にこなすことこそ、プロカメラマンの基本です。

5. 撮影当日(出発・到着)

出発

  • 持ち物最終チェック
  • 水分補給用のドリンクなど当日準備する持ち物を最終確認。
  • 集合時刻に間に合うように出発
  • 遠方の場合は30分以上余裕を持って到着するよう出発
  • エージェントによっては、出発ボタンを押して出発報告

到着

  • エージェントによっては、指定の到着ボタンを押して到着報告
  • 集合時刻の5分前到着が理想
  • 早すぎる到着(30分以上前)はトラブルの原因になりかねません。
    複数カメラマンで撮影する場合は、現地近くで合流して一緒に入場するケースもあります。

6. 到着後、撮影準備・打ち合わせ

  • 担当の先生にご挨拶
  • 外部施設で撮影の場合は、撮影対象団体かどうかを確認
  • 例えば、公園で待ち合わせの場合、撮影対象以外のの団体も現地にいる場合もあるため、撮影対象団体かどうかを確認します。
  • 当日の撮影内容・流れを打ち合わせ
  • 撮影機材を準備

【打ち合わせ例】

  • 卒園式入園式・運動会
  • プログラム確認、カメラマン立ち位置確認など
  • 日常撮影
  • タイムスケジュール、特別活動、クラスごとの昼食時間など確認
  • 集合写真撮影
  • 集合写真撮影の有無、撮影タイミング、撮影場所、撮影パターン確認

7. 撮影・終了・現地対応

  • 撮影スタート
  • 撮影終了後、担当の先生にご挨拶
  • エージェントによっては、電話で撮影終了報告が必要な場合も

8. 自宅に戻ってから

  • 撮影データをPCにコピー
  • 撮影枚数とデータ件数を確認
  • 外付けHDDなどへバックアップ
  • Adobe Lightroom Classic (LrC) に写真データを読み込み
  • ⇒ 撮影枚数と読み込み枚数が同一かを再確認
  • エージェント管理画面やメールで撮影終了報告を送信
  • 必要であれば交通費申請を行う
  • 撮影機材の日常メンテナンス
  • ブロアーでホコリを吹き飛ばす、カメラボディー・レンズを清掃。
  • 次の撮影に向けた準備
  • バッテリー充電、次の撮影の機材を準備。

9. セレクト・編集・納品

  • Adobe LrCでセレクト作業(レーティング、削除、選別)
  • 編集作業(明るさ補正、色味調整、トリミング、傾き補正など)
  • 納品データを準備
  • データを納品

【チェックポイント】

  • LrC上の納品データ数と、実際に納品する写真数が同一か確認
  • 納品期限を厳守
  • 万が一納品日までに納品できない場合は、納品日前にエージェントに納期延長を相談します。
  • 納品後、エージェント指定の納品報告書を作成・送信する場合もあります
  • 最後に編集後のデータ一式を外部HDDのへバックアップ

【まとめ】スクールフォトは段取り勝負!

スクールフォト撮影は、撮影技術以上に、「事前準備・スケジュール管理・データ管理」の正確さが問われる仕事です。

1つひとつの作業を確実にこなしていけば、信頼されるカメラマンとして安定的に案件を受け続けることができます。

撮影の流れをしっかり押さえて、プロフェッショナルな仕事を目指しましょう!

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スクールフォトカメラマンはいくら稼げる?副業・本業別のリアルな収入
スクールフォトの仕事を獲得する5つの方法|副業からプロを目指すあなたへ

■スクールフォトの仕事術
スクールフォト撮影の流れ|アサインから納品・報告まで
スクールフォト撮影の心得|保育園・幼稚園撮影で大切にしたい心構えと注意点
スクールフォトにおける4つの撮影目的と対応のポイント

■機材・グッズレビュー
記事制作予定

■副業カメラマンガイド
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