集合写真の納品方法、納品手順をわかりやすく解説

2025/4/12更新

集合写真の納品方法

秘伝、プロカメラマンのための集合写真撮影方法ガイド
集合写真、撮影前の確認
集合写真、カメラ設定
集合写真、撮影方法
集合写真、撮影後の後処理
集合写真の納品方法 ⇒【今ここ】

撮影後の編集作業を終えたら、いよいよクライアントへの納品です。

集合写真は、クラス全体や団体の思い出を記録する大切な一枚。プロカメラマンとして、丁寧でミスのない納品を行うことは、次の仕事にもつながる重要なプロセスです。

ここでは、集合写真の納品における手順とポイント、クライアントに喜ばれる納品の流れと工夫、よくあるトラブル防止方法までわかりやすく解説します。

目次

撮影エージェント経由で撮影した集合写真の納品方法

撮影エージェント経由で撮影した際は納品マニュアルを確認します

スクールフォトエージェントなどの撮影エージェント経由で撮影を行った場合は、集合写真納品のためのシステムが完備されており、撮影手順マニュアルがあることが多いです。

例えば、エージェント別に次のような集合写真納品を行います。

エージェントA:
  1. スナップ写真と集合写真のうち、「最初に集合写真を納品」します。
  2. システム上で集合写真に帯入れを行います。
  3. システム上で帯を入た後に、帯で足の一部が切れていないかなど、写真のバランスを確認し、状況によっては写真を再調整します。
  4. 帯の文字内容がおかしい場合は納品報告メールで報告します
  5. または撮影エージェントが事前に設定した文字が帯に自動的に入ります。万が一、日付が間違っている、イベント名がおかしいなど文字を修正した方が良いと思われる場合は納品報告メールで報告します(カメラマンが帯の文字を変更できない仕組みです)。
エージェントB:
  1. 集合写真は、各パターン最大2枚までを納品します。
  2. 3枚以上の納品はNG、カメラマン評価が下がります。
  3. 納品報告を行う際に、集合写真が含まれるフォルダの数をフォームに記入します。
エージェントC:
  1. エージェント指定のクラウドシステムで納品します
  2. 複数学年、複数クラスを撮影した場合は、撮影順を報告
  3. 報告メールで撮影順を伝えます。なお、集合写真の区切り位置に、クラス名の写し込み写真を入れます(撮影時に写し込みを行う)。
エージェントD:
  1. エージェント企業に物理メディアで納品します
  2. エージェントまで行き、メディアを手渡して納品
  3. 撮影したその足でエージェントまで行き、カメラ内のメディアを手渡して納品。SDカード以外の特殊メディアの場合はカードリーダーも持参します。エージェントのPCにコピーされたことを確認して納品完了します(当日納品)。
  4. エージェント指定のUSBメディアへデータをコピーして郵送で納品

直接クライアントへ写真を納品する場合、納品形式の確認(事前ヒアリング)

まず重要なのは、どのような形式で納品するかをクライアントと事前に確認しておくことです。

よくある納品形式

次のような形式で集合写真を納品します。

  1. オンライン納品(URL経由のダウンロード)
  2. オンライン納品(クラウド納品)
  3. USB・DVD・SDカードなどの物理メディアで納品
  4. 直接メディアを持って行く納品と、郵送による納品の方法があります。
  5. 印刷用データ+WEB用データの両方

納品データの準備

納品する写真は、以下のように整理しておくと受け取る側にもわかりやすく親切です。

納品データの準備:集合写真データのファイル名の付け方

250411_0123_Z9C_0034.jpg (撮影日時_撮影日の撮影順連番_カメラ内の元データ名)

のようなファァイル名で管理、納品するのがおすすめです。ここで、撮影日の撮影順連番は、複数台のカメラで撮影した場合も全体の時系列順に連番をつけておくことにより、撮影後のファイル並び替え時にファイル名だけで撮影順表示することができます。

撮影日時、撮影順連番については撮影後にカメラからPCにデータを取り込んだ直後にファイル名を変更するのがおすすめです。

帯入り・帯無し・解像度違いのデータを納品する場合

集合写真の帯入り/帯なしのファイル名の分け方は、わかりやすさ・整理のしやすさ・納品時のミス防止の観点からとても重要です。

以下にプロカメラマン向けのおすすめファイル名ルールをご紹介します。

集合写真の帯入り、帯なしの両方の写真を納品したり、サイズ違いのファイルを納品する際は、

250411_0123_Z9C_0034.jpg (基準解像度、帯なし)
250411_0123_Z9C_0034-band.jpg (【帯入り】)
250411_0123_Z9C_0034-large.jpg (帯なし、高解像度)
250411_0123_Z9C_0034-band-large.jpg (【帯入り】、高解像度)
250411_0123_Z9C_0034-small.jpg (帯なし、低解像度)
250411_0123_Z9C_0034-band-small.jpg (【帯入り】、低解像度)

のようにファイルの末尾に文字を加えて帯入りと帯なし、解像度を区別できるようにします。

ファイル名ルール設定のポイント

【重要】ファイル名には日本語や機種依存文字などの全角文字を使わず、半角英数字、「_(アンダーバー)」「-(ハイフン)」のみを使用します。

写真をプリントする際にプリント機によっては写真の裏面にファイル名がプリントされます。プリント機、またはパソコンの機種によっては全角文字がうまく表示されず動作不良が発生したり文字化けが発生したりするので、ファイル名には半角文字のみを使用します。

ファイル名をルール化することにより、クライアントへ納品の連絡をする際も『ファイル名の末尾に「-large」がついているデータは高解像度データです』と簡潔に分かりやすく伝えることができます。

ファイルの末尾に文字を加えたりする、大量写真のファイル名を一括変換するには、Adobe Bridgeのメニューから、「ツール⇒ファイル名をバッチで変更」で指定ルールで一括変換できます。

特別なクライアントへより丁寧な納品を行う場合は

特別なクライアントへより丁寧な納品を行う場合は

250411_0123_Sakura_ClassA.jpg (撮影日時_撮影日の撮影順連番_団体名やクラス名)

のように、ファイル名の中にパターン名(団体名、クラス名など)を」含めるとより丁寧な印象をクライアントへ伝えられるでしょう。

納品データの準備:フォルダ分け例

納品する写真は、以下のように整理しておくと受け取る側にもわかりやすく親切です。

├─ 250411group-photos
│ ├─ 250411_0123_Z9C_0034.jpg
│ ├─ 250411_0123_Z9C_0034-band.jpg
│ ├─ 250411_0125_Z9C_0036.jpg
│ └─ 250411_0125_Z9C_0036-band.jpg
└─ 250411group-photos-small
  ├─ 250411_0123_Z9C_0034-small.jpg
  ├─ 250411_0123_Z9C_0034-band-small.jpg
  ├─ 250411_0125_Z9C_0036-small.jpg
  └─ 250411_0125_Z9C_0036-band-small.jpg

上記の通り、親フォルダのファイル名の先頭に日付「YYMMDD」を含めます。このフォルダをZIP圧縮することにより、1つの圧縮データとして納品できます。

解像度違いで納品する場合は、解像度別にフォルダを分けます。これにより、ウェブ上で個別にデータを確認する際は、低解像度軽量データを確認することにより、クライアント側でのデータ転送量を節約できます。

フォルダ名、ファイル名に日付を入れるメリット

フォルダ名、ファイル名に日付(ファイル名には撮影連番)を含めることにより、ファイルを開かなくてもいつ撮影したデータか一目で確認でき納品ミスを防ぐメリットもあります。

複数のクライアントや案件を抱えている場合でも、整理がとてもスムーズになります。

フォルダ名、ファイル名には日本語文字を使わず半角英数字、「_」「-」のみを使います

フォルダ名に日本語などの全角文字や、「①②③」などの機種依存文字を使用すると、ファイルを圧縮した際の文字化けする場合がありますので、フォルダ名、ファイル名には半角文字のみを使いましょう。

Macで作成した日本語を含むファイルやフォルダを圧縮したzipファイルを、Windows PCで解答すると文字化けしてしまいます。

その場合、フォルダ名やファイル名を半角文字で作り直すか、または、「Windows PCを使ってzip圧縮」すると、MacとWindowsでも正常に表示されます。

ファイルサイズの目安

印刷用:長辺4500〜6000px(画質100%)
軽量版:長辺2250〜3600px(画質80〜90%、またはjpg書き出し時に最大サイズ*MBを指定して軽量化します)

長辺が2250ピクセルあれば、概ね2Lサイズのプリントに対応できます。2Lサイズの解像度は一般的に(300DPI印刷の場合)1536×2138 (300万画素相当)と言われていますが、写真プリント時に横方向の左右は切り取られ、上下も2〜3mmカットされて印刷されます。

プロカメラマンのための集合写真撮影方法ガイド、記事一覧

秘伝、プロカメラマンのための集合写真撮影方法ガイド
■集合写真撮影の流れ
集合写真、撮影前の確認
集合写真、カメラ設定
集合写真、撮影方法
集合写真、撮影後の後処理
集合写真の納品方法

■集合写真撮影テクニック(記事制作中)
├ 集合写真撮影のカメラ設定を素早く行う方法
├ 赤ちゃん、乳児の集合写真撮影方法
├ 卒業式、卒園式など、フォーマルな場面での集合写真撮影方法
├ ひな壇を使用した集合写真撮影の際の並ばせ方、声がけ例
├ 新年度クラス集合写真を撮影する際のフロー
├ ピアノ発表会での集合写真撮影方法

■集合写真撮影に役立つ情報
集合写真、撮影時に使うと役立つ道具